コロナの影響により困っている方々への食の支援事業 ~潜在化された課題を発見するツールとしての活用~

いちき串木野市社会福祉協議会(鹿児島県)

いちき串木野市社会福祉協議会では,新型コロナウィルスの影響等により経済的に困窮する世帯への支援を目的に,NPO法人や企業,地域住民から寄付された食品を生活困窮者等に無償で配付する「食の支援事業」を2021年3月から始めました。

この「食の支援事業」に取り組むきっかけとなったのが,3月に開催予定だったボランティアフェスティバルの中止です。余った食材をどうにかして有効活用したいという思いから,コロナ禍で生活に困っている地域住民に配付してはどうだろうか,せっかくなら,一般市民やNPO法人等にも食材の寄付を呼びかければ,賛同者がいるのではと考え,募集を行いました。多くの食材が集まり,配られた方々にも大変好評であったことから,継続した食料支援への取り組みを検討し,毎月1回「食の支援事業」として続けることになりました。初回の3月は110人分,2回目の4月は83人分の食料詰合せを配付することができました。

この「食の支援事業」は,食料を袋や箱に詰め合わせる準備作業や配付は,民生委員や医療、介護、福祉の専門職の協力のもと行われています。

実際,食料品の配付を行った民生委員は,「単に食料を配付するだけが目的ではない。支援が必要と思われる世帯に対し,普段はなかなかアプローチしづらいが,この食料支援をきっかけに潜在的な課題に気づくことがある。食料支援は,課題発見のツールとしても有効的な取組である」と話しています。

また,この事業をきっかけに,子ども食堂や関係機関との連携が強化されています。生野菜等の食材は,保存設備がなく一般世帯への配付ができないため,子ども食堂等で活用していただく等,この取り組みをきっかけに様々な関係団体との関わりが深まっています。

今後,この取り組みを続けていく中で,NPO法人や企業,地域住民からの食料の寄付が継続的に行われるようにさらに働きかけていきたいと考えています。

また,単に食料支援としてだけではなく,この事業をきっかけに潜在化された課題の発見につなげ,関係機関との関わりの中で解決に向けて取り組んでいきたいと考えています。

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