コロナ下で始めたラジオ体操 地域に輪を広げて

毎朝のラジオ体操(沖縄県浦添市)

沖縄県浦添市広栄地区に住む玉那覇和枝(たまな はかずえ)さん(70歳)は、コロナ下の健康維持のため、4月上旬から自宅前で一人、早朝のラジオ体操を始めました。そこに近所の人も続々と仲間に加わり、現在は10人の地域住民が毎朝身体を動かしています。

午前6時30分。NHKのラジオ放送にあわせ、ラジオ体操第一、第二と続けて約10分間運動します。体操を終えると、みんなで持ち寄った飴玉やせんべいをつまみながら、和やかに談笑。「○○さんは元気かね」と近況を尋ね、食べものの話題などで盛りあがります。「情報交換にもなっています。いつも来ている人が来ていなければ、どうしているか気にかけています」と玉那覇さん。コロナ下でつながりを維持し、気にかけ合える意義もあるようです。

「朝は人もとおらないし、いい空気も吸えるし」と玉那覇さんは自主的にラジオ体操を始めました。散歩中にその様子を目にした人や口コミで耳にした人などがまざり、一人、また一人と地域に輪が広がりました。ペットの犬を連れて体操する人や「自粛期間中の外出の機会に」と80歳代の母親を誘って参加する60歳代の人もいます。雨天以外は毎日開催しており、都合がつく人が集まります。

皆さん、もともと近所の顔なじみ同士。「体操を始める前の朝はダラダラ過ごしがちだったのが、始めたことで生活に張り合いが出て、肩が痛いのも治った」とよろこんでいます。

広栄地区は人口394人、高齢化率31.8%(2020年8月31日時点)。広栄地区は浦西中学校区でも2番目に高齢化率の高い地区ですが、グランドゴルフや三線サークル、いきいき百歳体操、ふれあいサロンなど住民の交流も活発に行われています。しかし、今春からコロナの感染拡大のあおりを受けて、多くの活動は休止を余儀なくされました。玉那覇さんが世話役を務め、公民館で週一回活動していたいきいき百歳体操も、9月いっぱいは休止していました。

だからこそ、「ラジオ体操を始めて、久しぶりに人とふれあえた」と玉那覇さんは語っています。コロナ下でも皆さんがつながりを求めており、ラジオ体操は貴重な交流の場として、参加者を広げてきました。いきいき百歳体操とラジオ体操の両方に参加している人もいます。「いきいき百歳体操が再開されたらラジオ体操はやめるの?と聞かれますが、これからも変わらず続けていきたい」と玉那覇さんは力強く話しています。

ラジオ体操から、今日も笑顔の一日が始まります。

2020.10.30

感染予防に配慮して間隔を取って体操を楽しみます

(写真提供:沖縄県浦添市健康福祉部いきいき高齢支援課 村山邦子さん)
ラジオ体操の参加者。1列目左端が玉那覇和枝さん

犬のジョン君も体操仲間の一員

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