子ども食堂流山から風流での「フードパントリー」 “明日につながる元気を!米袋をバトンに変えて”

子ども食堂流山から風流(千葉県)

「子ども食堂流山から風流」は、2016年4月から千葉県流山市で最初に子ども食堂を開始した団体です。毎月第2木曜日の夕方、子ども食堂を生活クラブ流山の地域交流スペースで開催しています。

新型コロナウィルス感染症の影響で地域活動ができない中でも、収入減の家庭内での困りごとや、母親がいない中での3度の食事の問題、アルバイトもできない学生の暮らしなど、地域で困っている人たちの情報は山のように聞こえてきます。スタッフの中から、3密を避けながらできることはないかという声があがり、市内で連携をしている子ども食堂の仲間たちも同じ思いでいることを知ったことから、フードバンク(東葛草の根フードバンク)の力を借りて、お米や食材を届ける「フードパントリー」を行うことになりました。

実施にあたっては感染防止のために、綿密な計画を立てました。活動の始まりから終了まで3日間で、情宣活動(チラシは700枚作成。ゼンリンの地図を頼りに、子どものいる世帯、アパート、集合住宅など皆で配る場所を検討し、比較的困っている家庭に届くように検討)や、配る食材の調達を行いました。5月17日当日は3グループに分け、活動が負担にならないよう且つ、短時間で終わるよう工夫し、延べ35人のボランティアが活動しました。場所も建物内ではなく、から風流の玄関先で、手渡しではなく並べた袋を取ってもらう方法でリスクを軽減しました。14時からの予定でしたが、13時半ごろからたくさんの方が並び始めたため開始を15分早め、100袋が全部なくなったのは14時45分でした。中高年、高齢者の方、大学生、子ども(兄弟)だけでなど、いつもの子ども食堂参加者とは違う方たちが目立ちました。皆、歩きか自転車での来所でした。

実施してよかった点は、参加者が心から喜んでくださったことや、皆が協力的で、運営側も参加側も一体化しおしゃべりも控えてくださったことです。スタッフは協力体制の広がりに感動し、参画できたことに達成感を抱いたようです。

運営側は、参加者数が読めない中で、どのように準備すべきか悩みましたが、来てくれた人全員に渡したい思いで取り組みました。小さなことでよいから人と人がつながる活動に取り組むことが、どんなに重要かが分かりました。「考えてても何も始まらない、とにかくやってみて次につなげよう」と一致団結した活動でした。『参加した子どもたちのリュックサックの中に、きれいに折りたたまれたチラシが入っていました。ジーンときました。元気をもらったのは私たちの方でした』というスタッフの言葉が印象的です。

校長先生や民生委員からも、「目には見えないけれど、学校には生活に困窮している心配な子どもたちがいる。地域の見守り支援や食を支える活動など、情報があったら教えてほしい。支援を必要としている子どもたちに届けたい」とのメッセージをいただきました。

新しい生活様式の中でも、人と人がつながるコミュニケーションが大事です。そして人を通して自己肯定感や自己自立が育っていくように思います。活動が小さな点であってもこれからもお互い様の助け合いを続けていきたいと、次へつながる取り組みとなりました。

6月に2回目の「フードパントリー」を予定しているほか、誰もがそこにいていい、「居場所づくり」も検討しています。

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