孤立防止へ!1日5分の絆「声のチカラ」プロジェクト

静岡県立裾野高等学校 校内有志団体「Ring」×裾野市社会福祉協議会(静岡県)

2020(令和2)年5月、新型コロナウイルス感染症による自粛が続く中、裾野高校の女子生徒から裾野市社会福祉協議会に相談がありました。その内容は、「この外出自粛が長引く中で、高齢者の社会参加が減り、自宅に閉じこもることでの体調悪化や社会的孤立が心配だ」というものでした。

相談者は3年生の前期生徒会長である山形千尋さん。社会福祉協議会としても一人暮らし高齢者の心身の状態を気にかけていたタイミングであったため、何度か学校や山形さんと協議を行い、「ひとり暮らしをしている75歳以上の高齢者と電話で交流する『声のチカラ』プロジェクト」を始めることとなりました。

1日5分程度、電話で交流をすることで、孤立を防ぐことや安否確認にもつなげる取り組みです。

準備として、6月に75歳以上のひとり暮らし高齢者約400人に体調確認と交流希望の確認をするためのハガキを社会福祉協議会から郵送しました。同時に5名の方を高校へ紹介してプロジェクトを試験的に行い、どのような会話をしたらよいのか生徒が確認。7月中旬から本格的にスタートし、生徒有志の11人が交流を希望する21名の方に電話をかけ始めました。

実際の電話では、雑談しながらお年寄りの体調をたずねたり、最近の過ごし方などについて会話しています。利用者からは「前向きな高校生と話をするだけで自分も前向きな気持ちになれる」、「孫と話をしているようだ」などの声をいただき、高校生からは「少しでも会話を楽しんでもらいたい」「進路や勉強などの心配をしてくれて嬉しい」などの声が出ています。また、耳がとおく電話が苦手な高齢者や話すことが苦手な方には手紙で対応しています。

これにかかる電話代等の費用は、活動に賛同した卒業生の寄附で賄っており、先輩方の支援をいただいています。「今後は、この活動を後輩たちに引き継ぎ、裾野高校の文化にして欲しい」と山形さんは語っています。

2021.3.18

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