新しいつながり方を知り、経験し、広げていく

認定NPO法人シーズネット(北海道札幌市)

認定NPO法人シーズネットは、豊かな高齢社会づくりに不可欠な高齢者自身の主体的な生き方を目指すための活動として、「仲間づくり」「居場所づくり」「役割づくり」をキーワードに、お互いが「支え合う」ことのできる地域社会を目指す活動をしています。事業としては、グループづくりとネットワークづくり、拠点づくりを中心に展開しています。2001年に元気高齢者のネットワークづくりのために立ち上がると、その後、北海道内にとどまらず、三重県や京都府でも活動が立ち上がりました。

現在、約900人の会員のいるシーズネットでは、仲間と支え合って趣味を楽しみ、豊かな老後を送るために社会活動への参加を促しています。会員自らの「やりたい」という声がかたちとなり、川柳、絵手紙など、現在28のサークルがあります。

しかし、こうしたサークル活動や、シーズネットが運営する地域交流サロンも、新型コロナウイルス禍では休止を余儀なくされました。そこで目をつけたのが、オンラインの可能性です。「このような状況だからこそ、感染防止に注意しつつ、孤独にもならずにいかに健康寿命を延ばすか」を考え、シーズネットでは、WEBサロンを開催することになりました。アコーディオン奏者の「よっちゃん」と一緒に歌う「歌声寄り道便」や、「脳活塾」に定期的に取り組んでいます。

WEBサロンは、オンライン会議システム「Zoom」を利用しています。ただ、その操作に不安のある会員のために、「Zoomの使い方研修」を実施しています。理事長の奥田龍人さんは、「WEBサロンに参加をしてもらうことだけが目的ではなく、『こんなつながり方がある、こうすればつながれる』ということを実感してもらい、新しい活動のあり方に発展させるのがねらい」と話します。実際に、使い方研修への参加者の一人は、リコーダーサークルに属しており、「いまは合奏やカラオケなど、飛沫感染のリスクがある活動は休止が続いているけれど、いずれは自分たちのサークルを自分たちで運営したい」と参加をしていると言います。

WEBサロンを始めてからはシーズネットの新たな会員も増えています。奥田さんは、「いままでのサークルの友人に会えない、家から出て人と会う機会が少なくなった、と人とのつながりを求めて参加されている」と話します。WEBサロンの前後では、会員同士がお互いの暮らしぶりを話している姿もあり、「人と話してうれしかった」という声も届いています。 7月からは、地域交流サロンや勉強・外歩きのサークルなどが、活動を順次再開しています。「新しい生活様式」をもとに、北海道が独自に提案した「新北海道スタイル」を遵守して、感染予防に努めながら日々の交流を続けています。

2020年11月13日

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