相談にのり、困りごとを支える活動を展開

ボランティアグループ「野村よろず会」(徳島県)

 2020年4月から、徳島県美馬市脇町の西部にある野村自治会・野村東自治会で、「野村よろず会」というボランティアグループが地域の助け合い活動をしています。グループの構成は、発足時メンバー11名(自治会長、老人クラブ会員、いきいきサロンメンバー、民生委員児童委員)と継続したボランティア募集により加わった2名の計13名です。

発足のきっかけは、高齢化が年々進む中(高齢化率:野村自治会37.1%、野村東自治会45.1%で、脇町地区全体の34.1%を上回る)、2018年12月に「今後、ますます地域の高齢者が増えていく。今も地域には何らかの困りごとを抱えている人がいるはずだ。今だからこそ、地域で特技のある人が訪問して困りごとのボランティア活動をはじめてはどうか」と一人の住民が声をあげ、自治会長やサロンリーダー等数人で立ち上げに向けて話し合いを進めたことです。複数回協議を重ねた結果、自宅で安心・安全に暮らすことができる地域、住みやすい地域にするには、何でも頼めるような関係(顔なじみの関係)、なんでも相談できる場所が必要と考え、「よろず相談窓口」の開設と「生活に密着した困りごとを支援する活動」を始めることとしました。内容は、毎月メンバーが集まって定例会議を開き、よろず相談内容を確認し、個別の訪問・支援活動を行っていくことと取り決め、発足までには、メンバーの顔写真と相談ポストの位置を載せた「活動リーフレット」を作成し、2つの自治会全戸へ配布しました。

発足直前まで話し合いは活発に行われました。全戸へ活動リーフレットを配布はしたものの、「自ら地域の人に困りごとを伝えることは難しい」、「もしかしたら困っていても相談にいけない人がいるのではないか」と考え、訪問による困りごと相談も並行して行うこととし、女性メンバーを中心とした訪問活動を2か月に1回展開することとしました。

2020年4月に活動がスタートし、訪問活動を定期的に行うことで、地域で顔の見える関係が増え、「よう来てくれた」と地域の高齢者から歓迎され、現在は会話が弾み、1軒に滞在する時間が長くなったり、少しずつ相談を受ける機会が増えてきています。

困りごと支援活動は、相談内容や聞き取り調査をもとに、相談者宅の状況を確認させていただいてからボランティア活動を行っています。これまでの支援活動は、電球の交換・倉庫の片づけ・蜂の巣撤去・生垣の剪定・個人宅の軒整備・粗大ごみの搬出・古本処理・引っ越しの手伝い等多岐にわたり、地域の空き家の木の剪定・公園の草刈り・大師庵の解体補修・庚申神社の清掃の活動も20回以上行っています。また、ゴミ出しに課題を抱える車いすの独居高齢者のゴミ出し支援も、毎週1回継続しています。また、相談依頼のあった中で、「よろず会」では対応できない事案や他機関での支援が望ましいと判断したものに関しては、各種関係機関につなぐ対応をしています。なお、これらの活動は、すべて無料で行い、材料費が発生する場合は実費のみいただいています。

地域で助け合い活動・作業をしていると、周辺の住民が集まってきて、お茶のお接待をしてくれることがあります。そこでも、いろいろな話が出てきたり、追加作業についてその場で話がまとまったりと、地域のつながりを深めるきっかけにもなっています。

さらに、活動の中で想像以上に独居高齢者が多い実態を知り、新聞配達時に気になる方(新聞受けに新聞が溜まっている等)を発見した際、いち早く対応できるようによろず会に情報提供してもらえるよう、徳島新聞西専売所と見守り協定を結びました。これまでに、2件の連絡がありました。

野村よろず会の活動は、地域住民が主体となり、よろず相談窓口を設置し、地域の課題に取り組み関係機関にもつなげ、住民一人ひとりの暮らしや地域を守る活動となっています。また、この活動が、よろず会メンバーのやりがい・生きがい・達成感となっています。特に、現在のコロナ禍で、様々な活動の自粛が求められている中において、「野村よろず会」による地域の支え合い、絆を作る活動は、貴重で重要なものになっています。

2021.1.18

 定例会の様子

訪問活動で顔なじみの関係へ

庚申神社の清掃と空き家の木の伐採

個人宅の生け垣の剪定

地域作業で新たなつながりが生まれています

活動が、生きがい・やりがい・達成感に

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