通いの場は休止でも、タケノコご飯のおすそ分け

NPO法人すずの会(神奈川県)

川崎市宮前区の野川中学校区で活動するNPO法人すずの会。会が運営するミニデイサービスや川崎市介護予防・日常生活支援総合事業で受託する通いの場も、市からの要請により中止をせざるを得ない状況になりました。

 「特に一人暮らしの人などの入浴や食事が心配」という代表の鈴木恵子さん。外出を制限したことで体力や精神面の不安の声も聞こえてきました。そんな鈴木さんのもとに、近所の方からタケノコの差し入れがありました。そこで、鈴木さんはタケノコご飯をつくり、利用者に配ることを思いつきました。

 4月10日、つくったタケノコご飯を、散歩がてら、すずの会の拠点「すずの家」に取りに来てもらうことにしました。同じ時間に一斉に取りに来てもらうと、人が密集してしまう可能性があります。そこで、取りに来てもらう時間を細分化して伝え、人が集まりすぎないように配慮しました。

 顔を見てのちょっとのおしゃべりとタケノコご飯のおみやげに、「久しぶりに笑った」という声が聞かれたと言います。ささやかなつながりが重要と、すずの会では4月25日にも赤飯とエビ・春野菜の天ぷらをつくりました。4月25日を選んだのも、「1週間のうちで一番天気が良さそうな日だったから」という配慮からとのこと。この日は、29食をお持ちかえりいただく盛況ぶりでした。いつものにぎやかな集いの風景とは雰囲気が違っても、ほっとできるひとときであることは変わらない、あたたかな風景でした。

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