30分のお試しサロンで久々に交流

松山市石井東地区社会福祉協議会(愛媛県)

松山市の石井東地区社会福祉協議会では、コロナ禍を受けて11地区で開いていた20か所のサロンが3月から自粛となりました。顔を合わせる機会のないなか、同地区社協ではサロンに来ていた高齢者などの様子が気になって民生委員・児童委員46人の協力を得て絵手紙を作成し、地区内の500人余りに郵送しました。絵手紙は、新型コロナウイルス感染症の静寂化を願い、季節の花やアマビエなどを描いて印刷したものに、一筆を添えました。受け取った方から電話やハガキで近況の連絡をいただき、お礼としてマスクをいただくなど、地域でお互いを気遣う機会となりました。

絵手紙のやりとりを通じて、「寂しい」「体力が落ちてきた」「早く会いたい」という声が多かったことから、政府の緊急事態宣言解除を受けて、独自にサロンの再開を模索。サロンの世話人たちと話し合いを重ね、アルコール消毒液やペーパータオル、非接触型体温計などを準備し、6月末から30分間のお試しサロンを11か所で始めました。3密を避けるため、事前に参加者に出欠をとって、定員を超えた場合はサロンを2回に分けて開催するなど、集う人数に配慮しました。

当日は参加者・世話人ともに検温やマスクの着用、室内・手の消毒、距離をとった着席、定期的な換気を行い、ペットボトルのお茶と個包装のお菓子を用意して、指体操と少しのおしゃべりを楽しみました。なかには、「ぜひ参加したい」と病院から退院した翌日に、知人に頼んで送迎してもらいこの場に参加した一人暮らしの女性(93歳)もいて、その元気な姿にほかの参加者もパワーをもらいました。一方で、参加者から「ステイホーム中に転倒した」「2階まで階段を上がれなくなった」という話を聞いたり、世話人の顔を忘れている人もいて、自粛による心身の影響を感じる機会ともなりました。

参加者からは「開いてくれてありがとう」「この集いを続けてください」などの感想が相次いでいます。地域包括支援センターの協力を得て、手指がきちんと洗えているかをチェックする機械を利用し、個々の感染予防の意識を高める契機にもなりました。

石井東地区は、市内で最初にサロンを再開したため、当日は市や市社協が見学。市は、ふれあいいきいきサロン助成金を受けている180か所に対して、8〜9月の活動として3つの選択肢を提示。①サロンは開かないけれど、脳トレ冊子を地域拠点に取りに来て外出の機会をつくる「てくてくデイ」の実施、②サロンは自粛、の選択肢に加えて、③1時間以内の短縮ミニサロンの実施、を追加し、施策に影響を与えました。集うことを躊躇していた地域も「試しに集まってみよう!」と士気が高まっています。会長の高岡順子さんは、「4か月も会えない期間があり、みんな限界に近づいていた。ウィズコロナでこの状況とは長いお付き合いになると思うので、このような会を継続しながら、今後も知恵を絞ってつながり続けたい」と話します。

2020.9.1

本稿は、つながりを切らない情報・交流ネットワーク発行「つながる通信」第26号より転載しました
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