応援メッセージ

心の濃厚接触を

コロナ禍に負けてつながりを断つわけにはいきません。
さわやか福祉財団の全国の仲間たちも、居場所を公園に代えたり、配食に代えたり、電話相談に切り替えたり、さまざまに工夫しながら、つながりを保っています。
 財団は、5月18日から、そんなつながりの活動を支援し、未来につなげるため、「地域助け合い基金」をスタートさせました。合言葉は「コロナ禍を乗り越えて共生社会へ」。
 約100日の助成176件(2,236万円)を通じてわかったのは、コロナ禍が母子家庭を直撃していること、そして、子ども食堂の仲間たちが、歯を食いしばってお金や食品を集め、困窮家庭に食材を配っていること。その使命感には、心が震えます。
 つながりアクションの素晴らしいところは、活動者がそういう思いを共有できるところです。「よし、こちらも、もう少し頑張ろう」という熱い気持ちになれるのです。
 財団は、つながりの活動を動画にしてホームページで公開していますが、食事を配る方も自宅で受け取る方も、その笑顔のなんとも魅力的なこと!身体はハグできなくても、心は濃厚接触しています。
 身体も濃厚接触できるようになるコロナ後まで、しっかりと心をつなぎ、共生の輪をひとまわりもふたまわりも大きくしていきたい。必ずできると信じています。

堀田 力

公益財団法人さわやか福祉財団
会長 堀田 力

困難を超え、未来のネットワークの基盤を

各地の現場で奮闘されている皆さんに、生活困窮者自立支援全国ネットワークを代表して、挨拶を申し上げます。
 コロナ禍が第二波のまっただなかといわれる状況ですが、生活困窮の第二波も近づきつつあることが予感されます。第一波の際は、非常事態宣言など騒然とした雰囲気のなかで、不十分とはいえ経済的支援の施策もいくつか打たれてきました。ところが、現在ではそうした施策の一時的な効果も消えてきて、声をあげることもできず、ひたすら困難に耐えている人たちも増えているようにみえます。
第一波以来、大事な社会的つながりを断たれたままになっている高齢者、障害者の孤立化も、深刻化していると思います。
本ネットワークは、生活困窮者自立支援制度を、人々が直面している複合的な困難に包括的に対応しうる制度として、また、困窮のみならず孤立を防ぐ制度として、発展させていくことを目指してきました。現下の状況は、まさにこの制度の出番のはずなのですが、相談支援の現場では、限られた人員で、膨大な書類業務にも忙殺されながら、とくに経済的困窮への給付手段がないという現実の前に、困惑も広がっています。相談員やその家族の感染リスクをいかに引き下げるかも重要な課題です。
生活困窮の分野にかかわらず、多くの現場で類似の状況があるのではないかと推察します。地域共生社会にむけた制度改革の流れを活かすためにも、こうした困難を超えていく手立てをともに考え、未来のネットワークの基盤としていくことができればと願っています。

宮本 太郎

一般社団法人生活困窮者自立
支援全国ネットワーク 代表理事
中央大学法学部教授 宮本 太郎

コロナ禍を超え、
新たなくらし・地域づくりをめざして

 コロナ禍において、日本各地の生協では、子ども食堂への支援、大学生への支援、生活困窮者への支援など多様な取り組みを実施しています。広く組合員に呼びかけて、地域活動団体や医療機関への募金活動に取り組んだ生協もありました。これらの活動の多くは日ごろからつながりのある地域の社会福祉協議会やNPOなどと連携して展開されており、地域での普段のつながりが生協の可能性を広げることを改めて実感する機会となりました。
 この間生協でも、これまで大切にしてきた人々が集って活動する形は一時的に休止せざるを得ませんでした。しかし、Web会議システムを使いながら学習や交流の場づくりを始めています。その中では、今まで参加できなかった人が参加できる、離れた地域どうしがつながれるなど、新たな可能性に気づくことができました。一方、地域によっては、身近な地域での小さな規模での集まりも再開してきています。そこでは改めて、人と人とが直接会い話し合うことの大切さが感じられています。直接の出会い・つながりとICTの活用を組み合わせることで、新たな絆を結び、既にあるつながりを深め、地域のたすけあいの強化につながるのではないかと考えます。
困難な時こそ、多様な人々の参加やつながり、その中から生まれる創意工夫が必要です。私たちも地域に根ざした存在として、多くの皆様とともに、新たなくらし・地域づくりに役割を発揮していきたいと思います。

本田 英一

日本生活協同組合連合会
代表理事会長 本田 英一

丁寧に今までをふりかえり、
ひたすらなるつながりを!

 今、私たちが置かれている状況は、確かに最悪である。災害ボランティアの派遣もままならず、子ども食堂も多くが閉鎖など。ボランティアセンターも閑古鳥が鳴いていると聞く。一方、このような時だからか、様々な親切やいたわりに出会うとうれしい。近隣や商店街では、「気を付けて・・・」「お元気でしたか?」の声掛けや、友人からは電話やメール、はがきや手紙。超多忙な私たち現代人にハッと気づかせてくれる何かがある。
「広がれボランティアの輪」連絡会は25周年事業を秋に、オンラインと集合の併用で開催予定である。参加団体では、様々な工夫と初心に戻ってなされている活動により、新たなつながりを生みだそうとしている。それは、連携と協働の力である。情報を交換し、私たちにできることは何かを真摯に、問い続けている。丁寧に今までの経験から知恵を出し合い、必死に願い、祈りながらつながろうとするエネルギーこそが展望を開く。素直に困っていることを皆に理解できるように伝える努力、他者の気持ちを汲み取ろうとする広い心、そしてそのような相互関係を、個人としても団体・組織としても丁寧に続けることだと思う。
「たすけ上手・たすけられ上手」の福祉文化の創造をあきらめずに!

上野谷 加代子

「広がれボランティアの輪」
連絡会議 会長
同志社大学名誉教授 上野谷 加代子

お問い合わせ先

お問い合わせ
本サイトは「赤い羽根 新型コロナ感染下の福祉活動応援全国キャンペーン 居場所を失った人への緊急活動応援助成金」により作成したものです。