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原形不定詞とは?意味・使い方・見分け方をやさしく解説!

原形不定詞とは何か?

原形不定詞は、中学英語の後半や高校英文法で頻出する重要な文法事項のひとつです。日常英会話はもちろん、受験英語でもよく問われるため、早い段階でしっかり理解しておくことが大切です。この章では、原形不定詞の基本的な意味や特徴、通常の不定詞との違いについて、親しみやすく解説していきます。

原形不定詞の基本的な意味と役割

原形不定詞とは、「to」を伴わずに動詞の原形をそのまま使う文法のことです。

通常、不定詞は「to + 動詞の原形」で表現されますが、特定の動詞の後ろでは「to」を省略し、動詞の原形だけを使うのが特徴です。

たとえば:

  • I saw him run to the station.
    (彼が駅へ走るのを見た)

この場合、「run」が原形不定詞で、知覚動詞「saw」の後に直接続いています。

ポイント:

  • 原形不定詞は「目的語 + 動詞の原形」という形で使われる
  • to不定詞とは違い、「to」はつけない
  • 一部の動詞(make, let, help, 知覚動詞など)に限定される

役割としては、動作の内容や様子を補足的に表現するために使われます。英語では動作をより具体的に伝える場面で重宝されます。

不定詞との違いと混同しやすいポイント

一般的な不定詞は「to + 動詞の原形」で使われ、目的や理由、結果などを説明します。一方で、原形不定詞はより動作そのものを直接的に伝える役割があります。

例:

  • I want to go home.(to不定詞)
  • I made him go home.(原形不定詞)

このように、動詞の種類によって形が変わるため、どの動詞の後ろに原形不定詞が来るのかを覚えることが重要です。

なぜ学ぶ必要があるのか(中高生・受験対策の観点から)

原形不定詞は高校入試や大学入試に頻出の文法項目です。特に私立大学の文法問題や整序問題などで「原形不定詞 or to不定詞」の選択肢がよく出題されます。

また、英文を読む際も、原形不定詞の存在を知っていないと「文法的におかしい」と感じてしまうことがあります。正確に文意を捉えるためにも必須の知識です。


原形不定詞を使う代表的な動詞

原形不定詞を使う場面は限られていますが、その分、**決まった動詞を覚えておくことでミスを防ぐことができます。**このセクションでは、代表的な動詞をグループ別にわかりやすく紹介し、それぞれの使い方を具体例と共に解説します。

help / make / let の基本的な使い方

help / make / let は原形不定詞をよく伴う動詞として有名です。

  • help(〜を手伝う)
  • make(〜させる)
  • let(〜させてあげる)

例文:

  • She helped me carry the bag.
    (彼女は私がバッグを運ぶのを手伝った)
  • They made him clean the room.
    (彼に部屋を掃除させた)
  • I let my brother use my tablet.
    (弟にタブレットを使わせた)

補足:

「help」に関しては、「to help」と「help」どちらも文法的に正解です。ただし、会話や試験ではtoを省略する方が自然とされます。

知覚動詞(see / hear / feel)との組み合わせ

**知覚動詞(perception verbs)**も原形不定詞と非常に相性が良いグループです。

主な知覚動詞:

  • see(見る)
  • hear(聞く)
  • feel(感じる)
  • watch(観察する)
  • notice(気づく)

例文:

  • I saw her dance on the stage.
    (彼女がステージで踊るのを見た)
  • We heard the baby cry.
    (赤ちゃんが泣くのを聞いた)

知覚動詞の後に「人(目的語)」が来て、その後に動詞の原形を続ける形になります。このパターンは長文読解でも頻出です。

例文で理解するパターン別の使い方

以下のような場面別に覚えると理解が深まります。

使役動詞パターン(make, let):

  • The teacher made the student redo the homework.
    (先生は生徒に宿題をやり直させた)

知覚動詞パターン(see, hear):

  • I heard him sing a beautiful song.
    (彼が美しい歌を歌うのを聞いた)

helpの柔軟パターン:

  • She helped me paint the wall.
    (彼女は私が壁を塗るのを手伝った)

補足解説:

上記の例文では、動詞の直後に目的語+動詞の原形がセットで使われています。これが原形不定詞の典型パターンであり、英文中で見抜けるようになることが最大のポイントです。


原形不定詞とto不定詞の違い

**原形不定詞とto不定詞は一見似ていますが、文法的なルールと意味に違いがあるため注意が必要です。**この章では、2つの使い方を明確に比較し、混同を防ぐためのコツを紹介します。

使い分けの基本ルール

まずは以下のような使い分けが基本です。

使用動詞の種類続く形の例
使役動詞make + 人 + 原形不定詞
知覚動詞see + 人 + 原形不定詞
意思・希望などの動詞want + to不定詞
決定・計画などの動詞decide + to不定詞

補足説明:

to不定詞は「〜すること」「〜するために」といった目的や意志を表すのに使います。一方、原形不定詞は動作そのものを直接的に表すため、よりリアルで具体的な場面で使われます。

意味の違いに注意すべきケース

原形不定詞とto不定詞は、時に意味に微妙な差が出ます。

例:

  • I saw him run.(彼が走り出すのを見た)
  • I saw him to run.(✕ 不自然・文法的に誤り)

このように、原形不定詞が求められる動詞で「to」をつけると間違いになります。逆に、「want」などでは「to」を必ずつける必要があります。

受験や定期テストに出やすい混同ポイント

試験では以下のようなパターンが問われます。

  • 誤: I let him to go there.
  • 正: I let him go there.

このように、正しい形を選ばせる整序問題や誤文訂正問題が頻出です。動詞の種類ごとに使う形を暗記しておくことが試験対策のカギとなります。

原形不定詞をマスターするための学習法

原形不定詞は、基本ルールを覚えれば難しくありませんが、定着させるには反復練習と効果的な暗記方法が重要です。この章では、個別指導塾で実際に用いられている学習法をもとに、効率よく身につけるためのアプローチを紹介します。

個別指導塾でよく使われる指導方法

多くの塾では、次のような3ステップ方式で指導しています。

  • 動詞グループ別の整理(make, let, help, 知覚動詞 など)
  • 例文の暗唱と音読
  • プリントやテキストで演習

補足:

特に中学生や高校初級レベルの生徒には、**目で見る(視覚)・声に出す(聴覚)・手を動かす(体感)**の3つを組み合わせる学習が効果的です。

覚えやすくするための暗記テクニック

おすすめの暗記法として以下があります:

  • グループ別の動詞リストをノートに色分けして整理
  • 「make + 人 + 動詞原形」などの型ごとに例文を暗記
  • 自分に関係する内容で例文を作る(例:「My mom made me clean my room.」など)

このように、身近な内容と関連づけることで記憶に残りやすくなります。

練習問題を活用する具体的な方法

単元ごとに5〜10問程度の問題集を解くのが理想的です。

おすすめの手順:

  • ① 例文を見て意味が取れるか確認
  • ② 英作文にチャレンジ(和文→英文)
  • ③ 音読+瞬間英作文トレーニング

補足:

個別指導では、このプロセスを1週間単位で繰り返し、ミスが減るまで反復練習を行います。


よくあるミスと注意点

原形不定詞を使いこなすためには、ありがちなミスや混乱ポイントを知っておくことがとても重要です。この章では、実際の指導現場でよく見られる注意点をピックアップして解説します。

三人称単数や時制との誤用

英語に慣れていないと、三人称単数に「s」をつけてしまうミスが多発します。

誤: She made him goes to school.
正: She made him go to school.

ポイント:

原形不定詞は常に原形のまま使うことが鉄則です。動詞の活用や時制に関係なく、「go」「do」「be」などの原形で固定されます。

助動詞との関係性

助動詞(can, must, willなど)も原形を使いますが、これは原形不定詞とは区別して考える必要があります。

例:

  • He can speak English.(助動詞)
  • She made him speak English.(原形不定詞)

両者ともに原形動詞を取りますが、前に来る単語(助動詞 or 他動詞)によって分類が異なります。

受動態との混乱パターン

受動態になると、原形不定詞の「to」が復活するケースがあります。

例:

  • He was made to clean the room.(受動態)

これは受け身構文ではto不定詞に変化する例外であり、よく試験に出されます。特に整序英作文や文法穴埋め問題で混乱を招くポイントなので、重点的に練習しましょう。


実践例と演習問題

ここでは、実際の学習に役立つ演習問題とその解説を掲載します。理解度チェックとしてぜひ活用してください。

基礎レベルの演習問題と解説

次の英文を完成させなさい(原形不定詞を使って):

  1. I saw her _____ (dance) on the stage.
  2. My teacher made me _____ (write) it again.
  3. Let me _____ (go) outside.

解答:

  1. dance
  2. write
  3. go

解説:

いずれも「知覚動詞・使役動詞・let」が使われているため、原形不定詞が必要です。動詞の活用をしてしまわないように注意しましょう。

応用パターンの例題

次の英文の誤りを正しなさい:

  1. She helped me to finish my homework.
  2. I let him to drive my car.
  3. They saw the dog to run.

解答・解説:

  1. OK(helpはtoありも可)
  2. → I let him drive my car.
  3. → They saw the dog run.

特に2と3は、原形不定詞を使うべき動詞なのに、to不定詞を使っているため誤りです。

自分で作れる練習文の作り方

以下のステップで自分用の練習問題を作成できます。

  1. 動詞グループを選ぶ(make, see, let など)
  2. 人物+動作を自由に設定
  3. 英作文を作る → 声に出して読む

例:

  • 「母が私に皿洗いをさせた」
    → My mother made me wash the dishes.

補足:

このように、自分の生活に即した英文を作ることで、原形不定詞の使い方が自然に身につきます。


まとめ

原形不定詞とは、「to」を伴わずに動詞の原形を使う文法項目です。

使役動詞(make, let, help)や知覚動詞(see, hearなど)の後ろで使われ、特定の形でのみ登場します。見分け方やto不定詞との違いを理解することで、英文法への理解が一層深まります。

個別指導塾では、反復演習・音読・例文暗記を活用した指導が行われています。よくあるミスや出題ポイントにも注意しながら、演習問題を活用して実践的なスキルを身につけましょう。