コロナ禍で対策情報を伝え、人と人をつなぐコミュニティラジオ

ラジオ石巻(宮城県)

宮城県石巻市のコミュニティFM「ラジオ石巻」は、情報コーナー「正しく知ろう新型コロナ」(6月より「正しく知ってコロナ予防」に変更)を4月13日から始めました。桃生郡医師会の副会長で、ししど内科クリニックの宍戸友明院長が、新型コロナウイルス感染症の基礎知識や感染対策、最新情報のほか、同市のPCR検査の受け方など地域密着の情報を発信しています。放送局長の松浦佳奈さんによれば、「コロナの不確かな情報が飛び交っている。感染防止には、正しい情報を知って対策をしなければいけない」と企画。リスナーから「手洗いのたいせつさがわかった」などの声が届いています。

4月20日から、外出自粛の運動不足解消に、「おらほのラジオ体操」を定時放送。「石巻弁の体操で孫と楽しく身体を動かしている。方言の意味を聞かれて会話が増えた」と評判です。

同24日には、感染拡大予防に、「みんなで手洗いキャンペーン」も開始。換気の目安の1時間に1回、楽しく手洗いができる歌をかけます。

コロナ渦の人をつなぐ役目も果たします。休校中の3月に、石巻市の小中学校の先生が生徒へ思いを届けるコーナー「つなぐラジオ『先生からのメッセージ』」を放送しました。出席できなかった在校生に向けて卒業式の模様を伝えて式の歌を唄った先生や、生徒一人ひとりに休校中の過ごし方を提案した先生など、内容はさまざま。生徒や保護者の反響が大きく、一般リスナーからも「感動した」と好評でした。

5月4日からは、コロナ禍の過ごし方や収束後にやりたいことを住民に聞くコーナー、「いしのまき応援缶〜頑張るみんなに応援歌を〜」をスタート。学生や主婦、会社員、教員などが日替わりで電話出演します。「落ち着いたらしたいことを考えて、前向きになれる内容を発信したい。自宅での過ごし方のヒントもお伝えしたい」(松浦さん)と企画しました。

「コロナ禍での正しい情報はもちろん、音楽を聴いてもらうなどほっとできる時間を提供したい。パーソナリティの言葉で一人じゃないと思えた、という話もいただく。ラジオをとおしてつながれたら」(同)とラジオ石巻では考えています。紹介したお店からは、『おかげで電話が鳴りやまない。店を続けられるか考えていたが、がんばっていこうと思えた』と感謝されたことも。

小学生から高齢者まで多世代の住民が、ラジオ番組の出演や制作にボランティアで参加しています。前述の「いしのまき応援缶」の出演者も、これまでのつながりを通じて、依頼しました。「ゲストや中継先との一回の出会いが 続いている。それがコミュニティラジオのよさ」と松浦さんは語ります。

2020.9.1

本稿は、つながりを切らない情報・交流ネットワーク発行「つながる通信」第22号より転載しました
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