アフターコロナを見据えた、双方向のメッセージ交流

八頭町社会福祉協議会(鳥取県)

まちづくり委員会を基盤に、地域づくりをすすめる八頭町社会福祉協議会では、地域の子どもや大人、施設、団体、地域に関わった学生などが、相互にあったかいメッセージを送り合う「あったかいことばでつながろうプロジェクト」に取り組んでいます。

〇双方向のメッセージ交流
コロナ感染予防対策のため、2020年3月5日~5月18日まで、町の基本方針に基づき、まちづくり委員会を含む地域行事を中止していました。そこで、これまでの地域のつながりを絶やすことなく、新たなつながりへと発展させることを目的に、双方向のメッセージ交流としてプロジェクトを企画。子どもや学生から高齢者などへのメッセージを募り、手書きのカードをつくって高齢者などに届け、受け取られた際の様子や感想などを町社協がポスターにまとめて、学校などに送るという形でやりとりをしています。

プロジェクトは、コロナ禍での小中学校の福祉学習として、またアフターコロナを見据えた学校とまちづくり委員会の交流の契機にしたいと考え、5月下旬に町教育委員会に相談し、小中学校を訪問して調整。夏休み前に、作成されたメッセージをまちづくり委員会に届け、その反応をまとめたポスターを夏休み明けに学校に届けました。町内に毎年実習にきていた鳥取市内の専門学生たちも、コロナの影響を受けて実習ができず、プロジェクトに参加することで交流を継続しています。

〇まちづくり委員会を基盤に活動
中山間地域に位置する八頭町は、人口約17,000人、高齢化率34.3%。少子高齢化がすすみ、集落を基盤とした活動の継続が難しくなってきた2012年度から、町内14地区に住民主体の「まちづくり委員会」を段階的に設置してきました。地区にある旧保育所などの施設を拠点として、地域のつながりづくりや健康増進、介護予防の取り組みを推進。現在、12地区で設立され、地域住民と専門職、学生などの地区外の人がつながり、協働する場となっています。

まちづくり委員会は、全体の方向性を決定する委員会と、サロン活動や世代間交流など日々の取り組みを行う事業推進員会で構成。事業推進員は、各集落から選出された60~70代の住民が担っています。また、事務局として集落支援員(地元から推薦を受けたスタッフを町が臨時職員として雇用)が拠点に常駐しています。活動によって各世代のつながりが充実し、福祉意識が高まって、障がい者の社会参加や中間就労だけでなく、高齢者への買い物などの生活支援に取り組む可能性がみえてきました。

前述の活動中止期間中は、ある地区のまちづくり委員会の常勤スタッフが、自主的に戸別訪問を実施。1か月で健康状態が悪くなり認知症状がすすんでいる住民の様子を町に報告したことで、ソーシャルディスタンス・消毒・検温の上、活動を再開することができた経緯があります。

また、これまで大学生のボランティア参加を積極的に受け入れてきた上私都地区まちづくり委員会には、卒業後に集落支援員として同地区に定住したスタッフの声かけで、各地へ旅立っていった学生たちからメッセージが届きました。いまも、もう一つの故郷のように大切に思ってくれていることが伝わってきて、彼らに上私都地区で育てた野菜にメッセージを添えたふるさと小包を送り、心の交流を続けています。

2021.3.18

 

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