食料支援から繋がった、将来を担う地域ボランティアとの出逢い

唐津市社会福祉協議会(佐賀県)

唐津市社会福祉協議会では、以前から生活上の相談で来所される方から「直近の食べ物にも苦慮している」と多くのご相談がありました。そこで、困窮状態にある方の支援を迅速に行うため、令和元年度に食料支援「フードエイド♡からつ事業」を開始しました。この事業は、寄付いただいた物品だけで運営しており、地元企業及び個人の方からの善意で成り立っています。地域の互助力により、予算を設けなくとも持続可能な本会唯一の事業になっています。

コロナ禍になり、相当な件数の特例貸付や食料支援の利用があり、その中にはひとり親などの継続的に支援が必要な世帯が多数あることがわかりました。そのような折に、ボランティア団体「LihiTerra(リヒテラ)」から「支援が必要なひとり親世帯につなげてほしい」と急遽、協力要請がありました。

リヒテラは、「日常の困りごとで協力が必要な人と、助けたい人を繋ぎ、シェアすることで、ともに学び、助け合いが自然と生まれる地域をつくっていきたい」という想いで、「こども宅食からつ」を令和2年10月にスタートしています。社協をはじめ農家、お寺、企業などと連携し、食材をはじめ生活に役立つものを、定期的に、無料で届けています。

さらに、物資を届けるだけでなく、利用者とその子どもたちとも顔を合わせ、近況や困りごとなどに耳を傾け、丁寧にかかわりながら自立を支援しています。

社協は、前述の事業により、リヒテラに対して食料提供を行うとともに、支援が必要と思われる世帯とのマッチングを行うほか、初回訪問時に職員が同行して聞き出しにくい情報(就労、家計、負債、育児、精神、他に支援者がいるか等)を聴き出す役割を担っています。

その後、対象世帯に更なる課題が見つかったら、リヒテラからの連絡を受け支援に入ります。

リヒテラは、30代の女性が代表を務め、多くの賛同者やボランティアの協力を得ながら、団体としては少数で活動しています。いまでは、こども宅食のほか、こども学習支援、こども農業体験、イベント開催、生理の貧困への取り組みなど多分野に渡り活動しています。

このような「人と人、人と地域をつなぐ活動」を、互助の見本となるよう、社協として広く周知し、地域の中により多くの互助が芽生えることを可能な限り支援していくことが、本会が目指す「住民と共に安心・希望を創造する」ことに繋がっていくと考えています。

2022.3.4

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