ICTを活用した子どもの学習支援ボランティア

てごほ~む(島根県)

「てごほ~む」は、島根県出雲市にある島根大学医学部の学生を中心に、2019年12月から活動を始めた中学生・高校生向けの学習支援ボランティア活動です。出雲弁で「手伝う」という意味の「てご」をテーマに、お互いに助け合いほっとできる家のような居場所にという願いを込めて活動を進めています。当初3人の医学生で始めた活動ですが、その後、活動を知った社会人や社会人OBもメンバーとして加わり、現在は常時10人のメンバーが関わっています。

新型コロナウイルス感染症拡大のなか、軌道に乗り始めた月1回の居場所での活動は2回で休止を余儀なくされました。しかし、メンバーの一人がインターネットのオンライン会議システム「Zoom」を活用していたことで、オンライン学習室へのチャレンジを開始。3月後半から始めた週1回のオンライン学習室の開催は、5月までに10回を数えています。対面での学習支援と同様、オンラインの学びの場でも途中にゲームプログラムを入れて、子どもがリラックスして学ぶことを大切にしています。

オンラインを活用してみると、思いもよらないメリットがあることもわかりました。対面で直接相対してのやりとりが比較的苦手な子どもも、画面を通じたコミュニケーションでは学びがスムーズに進むことがありました。加えて、オンラインの会議システムでは、子どもごとに個別に部屋を設けることができます。複数の子どもが参加する場の後に、個別の部屋で子どもの学びをさらにサポートできることがわかりました。また、オンラインの学習支援の日には、「てごほ~む」の情報を知った他県の子どもも参加するなど、地域を限定しない学びを進めることができました。

4月後半からの連休期間、子どもたちの生活リズムを整えることを目的に、「朝てご」と名付け、朝9時から10時までの間でオンラインの学習室を開設しました。朝起きるのが難しかったり、起きてもやる気がしない子どもたちに向けて、ボランティアメンバーと話してリラックスする時間づくりを始めました。

4月下旬からは、出雲市内で多文化共生を進めるNPOと協働し、オンラインでの画面共有にグーグル(Google)の翻訳機能を加えて、ブラジルにルーツがある子どもも一緒に学校の課題を学んでいます。さらに5月中旬には子どもたちや他大学の学生、放課後子ども教室を運営する地域の人々がオンライン上で集い、NPOから講師を迎え、多文化共生を考える学びの場を設けました。出雲市内の外国人労働者の状況、そして子どもたちの抱える不安や現在の支援を知り、プログラムの最後には、参加者同士が感想を共有できる機能(Google Jamboard=WEBによるホワイトボード機能)を使用して講義を振り返りました。

今回の感染症拡大防止の取り組みが終息しても、小児病棟に入院する子どもや医療的ケアが必要な子どものきょうだいへのサポートなど、病状や遠距離で直接対面が難しい子どもにも応用することができると思います。

大学生は子どもたちと大人・高齢者をつなぐボーダーレス(境のない)世代です。「てごほ~む」も全世代型の居場所をめざし、ボランティアや支援者も集えるプラットフォームをめざしていきたいです。

2020.7.9

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